羽毛ふとんの新定義

羽毛布団の新事実とECOツールとしての正しい選び方マニュアル

もくじ
・はじめに
・羽毛ふとんの新定義
・室温軸の設計とは?
・羽毛ふとんの性能の可視化
・保温性能と軽暖性能
・軽暖性能による設計
・羽毛原料の品質検査と世界の羽毛量(資料)
・羽毛ふとんのキルト設計
・羽毛ふとんは最高より最適を選ぶ
・節電のためのECOツールとしての羽毛ふとん
・羽毛ふとんの性能を最適化する設計1
・羽毛ふとんの性能を最適化する設計2
・羽毛ふとんのがわ生地設計
・羽毛ふとんの丸洗いとリフォーム(仕立て直し)

はじめに

羽毛ふとんの新時代

羽毛を使った寝具の歴史は古く、バルーンと呼ばれる袋状のカバーの中に自宅で飼っていた水鳥の羽根や羽毛を入れて、主にドイツの農家で寝具として使われたのが始まりです。
また、ノルウェーの島では、島民が野生のアイダーダックの子育てを見守り、巣に敷きつめられた羽毛を、巣立った後に採取する共存共栄の伝統を守り続けている例もあります。
19世紀、日本ではアホウドリの羽毛を採取し、一時は輸出までしていました。
そのため、アホウドリは乱獲され絶滅に近い状態になり、今その保護が進んでいます。
羽毛は限りある資源のひとつです。
天然の素材は人工のものとはちがい、常に限りある存在といえます。
それだけにその性能とパワーは人工では創り得ない、かけがえのないものといえます。

かつては高級商材の代表格でもあった羽毛ふとん。
今は、ホテルや旅館にとって欠かせないツールになりました。

コンフォートグリーンは地球環境配慮の側面から、羽毛ふとんにフォーカスを当て、その性能と価値をわかりやすく可視化し、羽毛ふとんのまったく新しい、正しい選び方を提案していくことを使命のひとつと考えます。

研究と実験データ、考察と資料提供においては、外部独立法人である「一般財団法人科学技術振興会 CIL 快適睡眠環境研究所」の全面的な協力を得ました。

一般財団法人科学技術振興会 CIL 快適睡眠環境研究所

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羽毛ふとんの定義

人はさまざまな目的でホテルや旅館を利用します。
その上で、お客様が願うことは、ぐっすりと快適に眠れ、気持ちのいい爽快な朝を迎えることではないでしょうか?
ほとんどの方はお部屋を利用するのは夜になります。
眠るために利用すると言っても過言ではないホテルで、そのためのツールである寝具に対して、今までいったいどれほどの配慮や工夫がなされてきたでしょうか?
泊まる人の体質や睡眠のとり方はさまざまですが、だれしも快適に眠りたいのは同じです。
最適な睡眠環境を提供し、爽快な笑顔でチェックアウトしていただく配慮こそが、一夜の宿を提供するホテルや旅館の使命ではないでしょうか?

お客様のお部屋は基本的には四季を通して、一定の快適な温度に保たれているはずです。
ただ、夏はより暑く感じ、冬はより寒く感じます。また人によって寒がりの方、暑がりの方など、個人差もあります。また、年齢のちがいもあります。

異なるタイプのお客様に対して、平等に快適に眠るために機能する羽毛ふとんとは、どんな性能を備えるべきなのでしょうか?
そして、何を基準に適性な一枚をご用意すればいいのでしょうか?

永年に渡る羽毛と寝具に関する研究開発と膨大な実験データ、それらの結果から導きだされた結論に基づき、羽毛のさまざまな性能を数値として可視化することに成功、羽毛ふとんに関する新定義を導き出しました。

羽毛ふとんの新定義
1. 羽毛ふとんはその性能を設計することができるということ。
2. 設計の基準は寝室の室温をベースにすること。

羽毛ふとんは水鳥の羽毛(ダウンとスモールフェザー)を100%利用しているツールです。
そこには、本来備わっている自然の叡智としての性能があります。
そのすぐれた性能を精一杯引き出すことが、自然の恩恵を利用する側のいわば義務であり、貴重な自然素材への尊厳ではないでしょうか。

貴重な天然資源をむだにしないためには、素材の性能を研究しつくした結果による設計という方法が不可欠です。その設計が客室の室温環境をベースに行なわれることで、初めて、宿泊されるお客様が快適に眠れるいちばんの近道を提供することが可能になるのです。

羽毛は貴重な天然素材であり、暮らしはますます自然環境に左右されていくでしょう。
自然に対して真摯に謙虚に向き合い、その恩恵を尊厳を持って利用することが、羽毛ふとんを寝具として使う私たちの原点ではないでしょうか。
ここでは、羽毛ふとんの設計とは何をどうすることなのか、そしてその設計によって明快にされる羽毛ふとんの性能とその表示…そしてそれらに基づいて、どのようにして適性な一枚を提供すればいいのか…そのことについて明らかにしていきます。

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室温軸の設計とは?

お客様のお部屋の設定温度に合わせた羽毛ふとんの性能を設計します。

もっとも快適な睡眠のための条件は、寝床内の温度が33℃±1℃になることです。(日本睡眠環境学会)

お客様のお部屋の室温が何℃であろうと寝床内の温度が33℃±1℃になるように設計します。

つまり、20℃設定の客室と22℃設定の客室の場合、寝床内の温度を33℃±1℃にするために、それぞれおふとんの設計を変えます。

保温性能(あたたかさ)をつかさどる羽毛の質や充填量を微妙に調整していきます。

この設計をしないと、20℃のお部屋の方には寒過ぎて、22℃のお部屋の方には暖か過ぎて、寝汗をかいてしまうことになってしまいます。

羽毛の保温性能を表現する値を専門用語でTOG値といいます。
イギリスではそのTOG値で判断して羽毛ふとんを選びます。
TOG値が高いほど、より低い室温に対応するために、保温性能を高く設計しています。

ですので、単に高い保温性能(TOG値)のおふとんを設計する必要はありません。
暑過ぎて、汗や蒸れの原因になり、快適に眠ることができないからです。

お客様がお使いになるお部屋の室温環境にフィットする羽毛ふとんを設計してこそ、快適な睡眠を提供することができるのです。

良い羽毛ふとんとは「客室の室温に適した羽毛ふとん」ということに他なりません。
単に、ダウン率が高いからとか、ホワイトグースだからとか、充填量が多いからとか、ポーランド産だからとか、そういう判断基準では、ほんとうにお客様に合った良い羽毛ふとんを提供することはできません。

TOG(トグ)値:熱抵抗の単位
1TOG = 0.1㎡K/Watt
1平方メートル当り1ワットの熱量が布団を通して流れた時、布団の両面の温度差(K)を10倍した値がTOGです。

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羽毛ふとんの性能の可視化

人が快適に眠るための要素には、熱・光・音・空気などがあげられます。
ホテルや旅館では外気の寒さを建物や寝具で遮断して、寝床内温度(寝具と身体との間の温度)を適正に保つことが、快適な睡眠のためには欠かせない大切な条件とされています。

この寝床内温度を保つために必要な羽毛ふとんの保温性能は、客室の温度に応じての個々の設計が必要となります。したがっておふとんの保温性能(TOG値)はそれぞれ異なります。

これまでは、羽毛ふとんの保温性能については可視化されておらず、
・充填量
・原料羽毛の産地(ポーランド産やフランス産など)
・鳥の種類(グース/ダック)
・ダウン率

これらの表記やラベルをもとに選択せざるをえないのが現状でした。

コンフォートグリーンでは羽毛の性能を数値化したデータに基づいて設計を行います。

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保温性能と軽暖性能

保温性能(TOG)

TOG値とは?

掛けふとんの性能で就寝時の発熱をおふとんが逃さない度合いをデジタル化したものです。
数値が大きいほど熱を逃がさないという意味で、つまり客室の温度が低いほどそれに対応してTOG値は大きくなります。
室温に合わせてTOG値設計を変化させることで、常におふとんの中は快適になるのです。
客室の設定温度を2℃下げたとしても、室温に左右されない快適さを得られるエコ設計といえます。

軽暖性能(WWR)

WWR (Warmth-to-Weight Ratio) とは?

WWR値とはおふとんの重量およびサイズにより導き出した単位重量当たりの暖かさ係数です。
同じ暖かさ(TOG値)であれば、このWWR値が大きいほどおふとんがより軽いということを意味します。
つまり、このWWR値を目安として、羽毛ふとんの軽さを設計することができるのです。

羽毛ふとんの軽さはダウンとスモールフェザーの配合率などによってちがってきます。
寝床内温度はあくまで同じです。

一般的に羽毛掛けふとんを購入する場合、羽毛の(グースかダックか)][ダウン率]などの表記をもとに選択せざるをえないのが現状です。

世界からの羽毛輸入量の70%は中国と台湾が占めているにも関わらず、ネット販売での原産地表示は、ほとんどがハンガリー産(年間総輸入量のわずか4.1%)、ポーランド産(年間総輸入量のわずか3.7%)と人気の原産国を表示しています。

これについては原産地偽装が懸念されます。2016年からは本格的な取締りが始まります。

これまでのホテルや旅館の客室用羽毛ふとんは、季節や客室温度とはまったく関係なく、慣習的にダウン率と充填量(詰め物量)が決められていました。

鳥種(グース/ダック)、ダウン率の表示に関しては、公的検査基準をクリアしないといけません。
この公的検査そのものが曖昧でブレも大きく、信頼性に欠けているのが現状です。

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軽暖性能による設計

これからは…!

再現性のある実験データを基に、それぞれの客室に合わせた設計で、快適な寝床内温度をキープし、なおかつ軽さを決定する、軽暖性の設計も徹底している羽毛ふとんだからこそ、導入の価値があり、お客様に安心と快適さを提供することで、ご信頼いただくことができるのです。

コンフォートグリーンでは軽暖性能を5つのランクに分けて設計を行いました。ホテルや旅館の客室のグレードに合わせてお選びいただけます。
どのレベルも寝床内温度は33℃±1℃に保たれるように保温性能(TOG値)は設計されています。
ただ、おふとんの重さがちがってきます。軽いおふとんほど、グレードは高くなります。

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羽毛原料の品質検査と世界の羽毛量(資料)

日本国内 各検査機関の『検査結果』

こんなに数値にバラつきが…
公的検査機関においても、検査所の違い/試験する人の違い/試験方法によって、試験結果に違いが出てしまいます。

C.I.LではJIS規格より、更に厳正な「ピュアダウン方式」という基準を採用しています。
それは以下の理由からです。

① ピュアダウン方式では「ダウンボール」と「ファイバー」に、ほぼ完全に分離することが可能。
  (ダウンボールは空気を含み保温力を高めることができるが、ファイバーにその力はない)
② JIS規格でダウン率85%の羽毛原料でも、ピュアダウン方式では65〜83%とばらつきが出る。
③ 65%と85%の羽毛原料では保温力に差が出るため、正確な保温力の設計は不可能である。

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羽毛ふとんのキルト設計

すべての羽毛ふとん、羽根ふとんには、羽毛や羽根を充填するためのマス(しきり)があります。
それをキルトといい、たたきと呼ばれる単に平面的にミシンがけした平面キルトと、マチのある立体キルトの2種類があります。価格の安い羽毛ふとんは平面キルトの場合が多くあります。

立体キルトのマチ高が左右する保温性能

マチというのは羽毛ふとんのマスを作る立体キルトの高さのことで、羽毛の保温性能をできるだけ効率よく引き出すテクニックです。

羽毛が本来持つ嵩高回復力とおふとんの側生地の重量負荷が均衡するポイントを高さとして算出し、そのために最適なマチ高でおふとんを作ります。羽毛はまったく圧力がかからないときに、もっともふくらんでいますが、その状態ではおふとんとして成り立ちません。そのため、おふとんの生地から受ける圧力と羽毛が膨らもうとする力が最も均衡するポイント、つまり最適容積が保たれるように、マチ高の高さを設計するテクニックが求められます。

充填量が少なくて、マチ高が高過ぎると、羽毛は中で踊って片寄ってしまいます。

充填量に対して、低過ぎるマチ高では羽毛は押さえつけらえて、思う存分ふくらまない状態になります。

ダウン率と充填量に対してマチ高を算出して設計することで、羽毛ふとんの性能はさらに高いものになります。

キルトが生み出すドレープ性(フィット性)

快適に眠るために欠かせない寝返り。
寝返りをしても、ドレープ性の良いおふとんであれば、中の暖かい空気を逃さず、一晩中快適に眠ることができます。
ドレープ性をよくするために、さまざまに工夫されたキルトがあります。

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羽毛ふとんは最高より最適を選ぶ

これまで、羽毛ふとんの性能とその価値を初めて数字やレベルで可視化することに成功したことをご説明してきました。
つまり、正しい適性な一枚を設計し、ご提案できることが可能になったのです。
同時に、何が羽毛ふとんの価値を決定するかについてもご理解いただけたと思います。

優れた性能や価値に対して、等価の判断をすることで、ホテルや旅館の客室環境に合った羽毛ふとんを選ぶことがはじめて可能になるのです。

その上で、羽毛そのものはたいへん貴重な天然資源であること、そして、今後ますますその希少性は増してくる可能性が高いということ、このかけがえのない自然の恩恵は決して無駄にできないことを忘れてはいけないと思います。

羽毛ふとんは適切なケアを適切な時期に行なうことで、一生使えるツールです。

羽毛ふとんは、客室の温度に合った一枚を設計することに意味があります。そして、その一枚をできるだけ長く使うことでよりその価値が高まります。

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節電のためのECOツールとしての羽毛ふとん

室温をベースに適性な羽毛ふとんを設計ことが可能になったことで、客室の暖房設定温度を2℃下げても、よりあたたかさレベルの高い羽毛ふとん、つまり、客室の温度に合ったあたたかさを保つ羽毛ふとんを設計することが可能です。

寝床内温度は33℃±1℃に設計されていますから、体感するあたたかさは変わりません。

CO2/電気代の削減

季節(室温)に合った羽毛ふとんを導入することで、無駄な冷暖房に頼らず、電気代とCO2を削減できます。
何より、お客様には身体に負担のかからない、安心で快適な眠りをご提供することができます。

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羽毛ふとんの性能を最適化する設計1

あたたかさ(保温性能)の設計に必要な要素

ダウン率

羽毛ふとんには、徹底的に洗浄され、さらに羽毛本来の力を復元、最適化されたダウンとスモールフェザーが混ざりあった状態で充填されています。
羽毛(ダウン)が全体の何割含まれているかをダウン率(重量比)といいます。
例えばダウン率90%の羽毛ふとんにはスモールフェザーが10%含まれていることになります。
ダウン率100%という羽毛ふとんは作られていません。
限りなく100%に近くしても、性能はそれほど良くはならないからです。

また、ダウン率50%以下のふとんは羽毛ふとんとは呼べません。羽根ふとんになります。

つまり羽毛ふとんは中身の羽毛とスモールフェザーの割合でその性能が異なってきます。

ダウン率が高いとどうなるか
つまり羽毛(ダウン)がたくさん含まれていると、より暖かく軽くなり、耐久性も増します。
そして、羽毛が多いほど匂いがゼロに近づいていきます。

ダウンパワー

羽毛の反発力、復元力(押されてもどる力)つまり嵩高回復性能と呼ばれる性能のことです。
ダウンはその内側に空気をたくさん含んで膨れる性質があります。
グースダウン1グラムには約2000粒、ダックダウンには約3500粒のダウンボールが存在して います。(グースのダウンボールの方がダックより大きくなります。)

一定の温度、湿度の条件のもとで、1グラムのダウンが、何立方センチに膨らむ(復元する)かを測定し、数値で表したものをダウンパワーといいます。
この数値が大きいほど、羽毛が空気をたくさん含むことができることを表しています。
つまり、ダウンパワーの大きい羽毛であれば、たとえ少量でもふっくらし、保温性にすぐれていると言えます。ダウン率が高いと一般的にこのダウンパワーの数値が高くなり、保温性に優れているということになります。

グースダウンでダウン率90%の羽毛ふとんは一般的に優れた性能を持つと判断して良いといえます。

以上が保温性を設計するのに必要な要素です。

ではダウン率が90%より低いと、その羽毛ふとんは良くないのでしょうか?

いいえ、良くないのではなく羽毛ふとんの性能がちがってくるのです。

スモールフェザーの役割

ダウンは暖かさを提供してくれます。
そして、スモールフェザーは吸湿放散性という性能を発揮します。

ダウン率85%の羽毛ふとんにはスモールフェザーが15%含まれています。この羽毛ふとんはダウン率の高いおふとんよりも、吸湿放散性能に優れているといえます。若い方で新陳代謝が激しく、汗かきの方は、スモールフェザーが多めの羽毛ふとんの方が快適であるといえるのです。スモールフェザーの存在で、羽毛ふとんは水分を吸収放散して、寝床内温度を快適に保つ優れた性能を発揮できるのです。ただし、スモールフェザーが多い分だけ羽毛ふとんは重くなります。

羽毛ふとんは暖かくて軽いことがいちばんですが、暖かくて軽いという性能の影に、吸湿放散性というスモールフェザーの役割のあることを忘れないでください。

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羽毛ふとんの性能を最適化する設計2

軽さ(軽暖性能)の設計に必要な要素

軽くてあたたかいことが良い羽毛ふとんの第一条件です。
お使いになる方の睡眠環境に合わせて、あたたかさを設計できることはご説明しました。

そして、さらに軽さも設計できるのです。
つまり同じあたたかさ値でも、より軽いおふとんと重いおふとんがあり、それらを選べるということです。

羽毛ふとんの軽さ(軽暖性能)もあたたかさ同様、可視化された数値で表すことができます。
これを専門用語でWWR ( Warmth-to-Weight Ratio あたたかさの重さに対する割合)といいます。
簡単に言うと、あたたかさの数値を重さの数値で割り算する感じで、同じあたたかさであれば、軽いおふとんほど数値が大きくなります。
つまり、WWRの数値が大きい羽毛ふとんほど軽いということです。

ではその軽さはどのように設計されるのでしょうか。

ダウン率

ダウン率が高いと、つまり羽毛がたくさん含まれていると、よりおふとんは軽くなります。

ダウンパワー

ダウンパワーが大きいほど、少量でもふっくらし、軽くて保温性にすぐれていると言えます。

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羽毛ふとんのがわ生地設計

ダウンプルーフ加工

羽毛は針穴のような小さな穴からも吹き出してくるため、羽毛ふとんのがわ生地には生地の目を詰めるダウンプルーフ加工という加工を施します。

羽毛ふとんには睡眠中の身体から出る汗などの水分を吸湿放散して、寝床内温度を一定に保つ優れた性能があります。そのため羽毛ふとんのがわ生地は、ダウンは通さなくても、水蒸気を通す透浸性を保つ必要があります。(一般的に人はひと晩に約200cc、コップ1杯分の汗をかきます)

ダウンプルーフ加工は樹脂などをコーティングするのとはちがい、熱と圧力で生地の織り糸のすき間を埋め、通気性を保っているのです。

ダウンプルーフ加工により通気性や透湿性が若干低くなりますが、ダウンプルーフ加工は羽毛ふとんには避けては通れない重要なプロセスです。

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羽毛ふとんの丸洗いとリフォーム(仕立て直し)

羽毛だからできるECOサイクル

羽毛は軽くて暖かいだけではなく〝ケラチン〟というタンパク質でできていて、耐久性に優れています。もちろん、バイオディグレイダブル(自然分解されて、土に還る自然素材)です。
羽毛ふとん発祥の地、ドイツでは1枚の羽毛ふとんを親子三代、つまり約100年に渡って大切に使っています。日本では1840年ごろから木綿わたのふとんが主流でした。1959年以降石油を原料とした合成繊維からなるアクリルやポリエステル綿が市場を征服、それまでは、木綿わたのふとんは、打ち直しをくり返し、代々その家で大切に使われてきました。

現在では、羽毛ふとんも、手頃な価格で手に入るようになりましたが、羽毛原料の不足と高騰により、リフォーム、リユース・リサイクルの促進が急務となってきました。

耐久性に優れる羽毛ふとんだからこそできるメンテナンス(丸洗いと打ち直し)によって、より永続的に使用することができるのです。

丸洗いのお薦め

羽毛ふとんは何年も使っていると、カバーをかけていても、見た目以上、想像以上に汚れています。身体から就寝時に出る水分は200cc、コップ1杯分といわれています。もちろん汗の他、ダニやカビの発生など、あたたかくて湿り気のある環境はそれらの温床となります。

羽毛自体は生きている素材ですから、がわ生地の汚れやホコリで通気性が妨げられ、羽毛自体が空気を抱え込むことができなくなり、次第に壊れていきます。その結果、嵩高回復力が落ちてボリュームがなくなり、あたたかさも吸湿放散性も落ちてきます。見た目にも、へたってきていることがわかり、ダウンの吹き出しも起こってきます。羽毛は適性な時期にメンテナンスを行なうことで、70年80年と使える素材です。

リフォームのお薦め

すでに10年近く使用されている場合はリフォームを行います。
リフォームでは羽毛ふとんのがわ生地を一枚一枚裂いて、中の羽毛を取出し、直接洗浄します。
洗浄によって、ダニや雑菌を殺して除去し、その後、高温の乾燥機にかけて羽毛のダウンパワーを回復させます。この段階で耐久性の強い羽毛は新品によみがえります。
壊れた羽毛を取り除いた後、代わりに新しい羽毛を足し、新しいがわ生地で縫製し直します。つまり、おふとんは完璧に復元され、新品に生まれ変わります。

不要な羽毛ふとんのリサイクル

グレーダウンに比べ、ホワイトダウンにこだわる市場は日本だけです。色は性能とは無関係です。リサイクル羽毛に対する偏見も無くしていく必要があります。なぜなら羽毛は完全に復元されて、新品となりえるすばらしい天然資源だからです。
羽毛は水鳥が命がけで提供してくれている、命の代償なのです。

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